福祉社会をサポートするデザイナーになりたいと思ったきっかけ
- akane yabuuchi
- 3月1日
- 読了時間: 4分
更新日:4月3日

仕事と障がい児育児を両立させる難しさ・情報不足に直面して決意
はじめに
きっかけを作ってくれたのは末っ子です。
未っ子が予定日より3ヶ月早く産まれ、生後70時間のタイミングで脳内出血を起こし、その後「水頭症」「脳性麻痺」「てんかん」を発症、世間で言う「障がい児」となりました。
育児と仕事の両立が想像以上に過酷で、特に必要な情報を得るということの難しさに大きな衝撃を受けました。
この記事では、私が経験した障がい児育児と仕事の両立、そして手続きの中で感じた「情報の少なさ」についてお伝えします。これから同じ道を歩む方々の参考になれば幸いです。
仕事と育児の両立:想像以上の過酷さ

末子の妊娠前からフルタイムで勤めていたので、1年間の育児休暇をいただき、
復帰してからもフルタイムで働きながら、以下の手続きを手探り状態で進めていきました。
障害者手帳の取得
計画相談員さんを探す(※1)
療育手帳の取得
デイサービス(※2)に通うための手続き
訪問リハビリ・訪問看護の手配
など
これらの手続きを仕事と並行しながら行うのは想像以上に大変で、市役所に何度も足を運び、膨大な書類と向き合う日々。
どこで何の手続きをしたらよいのか、調べるだけでも私にとっては大きな負担でした。
※1 計画相談員とは
障がい者が利用する福祉サービスの利用計画の作成を行うお仕事をされている人のこと。
障がい者支援の内容説明、情報収集、関連機関との連携も行います。
※2 デイサービスについて
年齢によって通う施設名が異なりますが、総称してデイサービスと記載しております。
未就学児が通う施設:児童発達支援施設
就学児が放課後に通う施設:放課後デイサービス
「情報の少なさ」「自分の理解不足」で疲労困ぱいの毎日。自分の無知を痛感。
最も困ったのは、必要な情報を見つけるのが難しかったことです。
また、情報はあっても初めてのことで何が違うのか、何が必要なのか理解するまで時間がかかりました。
例えば、
障害者手帳と療育手帳の違い
どの施設が利用できるのか
施設に通うにはどうしたらいいのか
どんな支援が受けられるのか
など
基本的なことですら明確な情報が得られず、ネット上の情報もバラバラ。
困ったことに自治体ごとにルールが異なる場合もあり、手続きを進めるほど混乱して、再度調べる→市役所で相談を繰り返していました。
そして、あたり前に普通の保育園に通えるものだと思っていたので、
情報を調べていく中で、当時はそんな選択肢がそもそもない事に気づいて悲しくなったことも覚えています。(子どもの状態や受け入れ先の状況により、通える子もいます!)
同じ境遇の保護者も感じる「情報の壁」
同じ境遇の保護者の方々からも「何をすればいいかわからない」という声を多く聞きました。
「デイサービスに通わせたいけど、どうやって手続きするの?」 「訪問リハビリってどこで申し込めるの?」「そもそもこの子に合ってるの?見学はできるの?」など。
このような声が多く、情報不足が大きな課題であることを再認識したと同時に、心身疲弊している保護者・関係各所がもっとスムーズにやり取りすることができないのか。というコミュニケーションの部分にも課題があるなと感じました。
情報更新が追いつかない現状
課題解決しようにも、福祉関係のお仕事はいつも人材不足。
これは社会的問題にもなっており、デイサービスの現場では情報の充実化まで手が回らない状況にあります。
そこで、介護当事者でもあり、デザインの活動をしている私に何かサポートできることがあるのではないかと考え、福祉社会をサポートするデザイナーになることを決意しました。
ただし、「デザインを必要としている」という独りよがりの考えではいけないため、
訪問リハビリの先生や入院先の医療従事者、同じ境遇の保護者にも話を聞き、
必要性を改めて感じたため、デザイナーとしての活動を本格的に始めることを決めました。
最後に
障がい児育児と仕事の両立は、想像以上に大変なものです。
しかし、適切な情報があれば探し回ることなく、心身の負担を軽減できる可能性があります。
同じ境遇の方が少しでも疲れないように、
私自身の経験を発信・活用しながら、福祉社会をサポートできたらと思います。
もし同じ悩みを持つ方がいれば、ぜひ情報を共有しながら少しでも悩みを軽くしていきましょう!